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メッセージ



東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科教授 中村 正人

Japan Endovascular Treatment Conference 理事
日本下肢救済足病学会理事 CVIT理事長
生活習慣の変化、高齢化によって疾病構造は大きく変わってきた。糖尿病、血液透析症例、うつ病などが増加していることは様々なメディアを通して目にする機会も少なくない。下肢を栄養する動脈の病気も(下肢閉塞性動脈疾患)同様である。ビュルゲル病が減少し動脈硬化が主な要因となっており、その絶対数も増加している。本疾患に罹患すると歩行によって疼痛を生じるため生活の制限を受け、重症となると下肢の傷が治癒に至らず下肢切断が必要となる場合もある。このため、知らない間に自分で活動レベルに制限を加え、次第に活動範囲は狭小化してしまう。高齢化社会を迎えた今日、単に長寿ではなく健康な長寿が求められている。すなわち、健康寿命が求められるわけであるが、自分の足で歩くことが出来るか否かはその重要要素となる。しかし、この病気は一般的に周知されているとは言えず、その上正しく理解されていない。典型的な症状を呈さないことも多いため、誤った診療科で長期に加療されていることも少なくない。早期に正しい診断を得て治療が行えれば、重症下肢虚血となる患者さんを減らす事につながると考えられる。
高齢化社会を迎えた今まさに必要なメッセージは”Act Against Amputation ~一生、じぶんの足で歩こう”。このための新たな活動の一つとして今回この足病サイトが設立され、多くの方に正しい知識を提供し、適切な診療受診を促す動きとなるよう望んでいる。

奈良県立医科大学 整形外科学教授 田中 康仁

日本足の外科学会副理事長
足は地面と接する唯一の器官であり、どのような地表面に対しても柔軟に適応できる機能を備えています。糖尿病や重症虚血を伴った足では、神経障害や循環障害のために運動能力や知覚機能が著しく低下し、体のバランスがとりにくい状態になります。また、足の関節が硬くなっており、効率的に荷重を分散できず、胼胝や潰瘍を生じることにもつながります。
このことが原因となり大切断に至ることも少なくないのです。整形外科では、足を運動器としてとらえ、足の機能を保持し、しなやかに保つことで潰瘍や感染予防に結びつけられるよう取り組んでおります。
下肢切断予防に関して、これだけ機運が盛り上がってきたことは、本当にありがたいことであると感じております。糖尿病足や重症虚血肢に対して、関連各科が連携して立ち向かう態勢が整いつつあります。しかし一方、一般の皆様方はもとより医療従事者間でさえ、足病予防の考え方が十分普及しているは言えない現実もあります。足趾や足部をしなやかに保つ取り組みを広め、下肢切断に至る患者さんが一人でも少なくなるよう、積極的に行動して参りたいと考えております。

旭川医科大学病院血管・呼吸・腫瘍病態外科学分野教授 東 信良

日本血管外科学会理事

足の血行を診断・治療する立場から

足病変を形成する病態は様々ですが、切断に至る可能性のある病変には血行障害・神経障害・感染の3大要因が重要であるとされており、それらが互いに関係しあって足病変を増悪していることも少なくありません。特に、血行障害や感染は、急速に悪化させることもしばしばであり、適確な診断と適切な治療方法の選択が「救肢・救足」に重要となります。
多様な診療科や多様な職種が関わる足病変の治療には、お互いの理解が不可欠であると考えておりますが、それぞれの知識やノウハウを持ち寄り、かつ、新しい知見について情報共有する上において、今回発足したAAAのサイトは多様な職種連携の場として重要な役割を果たすものと期待されます。
下肢の血行障害を正しく診断し、患者様の状態に応じた適切な血行再建をタイミング良く提供できる施設の数は、残念ながらまだ十分とは言えないのが現状です。患者様にとりましても、医療従事者全般にとりましても、推奨される医療がどの地域・病院で提供を受けられるのかという情報を得る貴重な場として、このAAAサイトは有用なものになると考えております。
私は、血行障害に対して血行を再建する側の医療者として、血管外科の立場から、循環器内科医・形成外科医とも協力して日本の虚血肢の現状と日本人にあった救肢医療のあり方を研究しておりますので、そうした情報をこの場をお借りして発信し「救肢・救足」に貢献していきたいと思います。

東京医科大学名誉教授 西新宿サテライトクリニック医院長 坪井 良治

日本美容皮膚科学会理事長 日本医真菌学会理事
「足病変」患者に対する治療のレベルアップをめざす本活動には、皮膚科医としても大きな期待を寄せています。
糖尿病に起因する「足病変」の発症原因は高血糖や血行障害ですが、皮膚科医は糖尿病内科医(血糖コントロール)、血管外科医(血行再建)、形成外科医(組織欠損の再建)、整形外科(断肢とリハビリテーション)などと協力して、集学的、横断的治療を行っています。
特に、皮膚科医は軟膏療法、壊死組織のデブリードマン、植皮術などを得意としており、できるだけ足を温存し、通常の日常生活に戻れるようにサポートしています。また、「足病変」は些細な皮膚疾患、たとえば、水虫、低温熱傷、巻き爪などが発症のきっかけになることがよくあります。これらの疾患を適切に対処することで「足病変」の悪化を防ぐことができますので、予防的な面からも活動をサポートしていきたいと思っています。

日本看護協会 看護研修学校 溝上 祐子

日本下肢救済足病学会理事 日本褥瘡学会理事
日本創傷オストミー失禁学会理事
私は認定看護師教育に関わっています。その中で皮膚・排泄ケア認定看護師や糖尿病看護認定看護師の教育には下肢救済のためのフットケア技術や下肢創傷管理の習得が含まれます。直接ケアが必要な患者様への実践も行っていきますが、相談や指導という形で医師や看護師や様々な医療関係者などへの下肢救済の大切さを啓発する役割も持っています。
そのような認定看護師の教育の一線で、新しい情報やエビデンス、実践報告などできるだけ本サイトで提供して参りたいと思っています。また、私自身は日本創傷・オストミー・失禁管理学会や日本下肢救済・足病学会の理事も務めておりますので、アカデミックな情報や横断的な研究など皆さんに有益な情報も提供できればと考えております。下肢救済の発展には看護師の力を十分に発揮すべきです。同じ目的を持って、いろいろな意見を交流させ、日本の下肢救済の輪を広げていきましょう。理想的なチーム医療の実現のために尽力して参ります。よろしくお願いいたします。

TOWN訪問診療所理事 城南医院院長 宇都宮 誠

糖尿病や動脈硬化に起因した下肢壊疽は治療が非常に難しく、時に下肢切断に至るばかりか命にも危険が及ぶ重篤な疾患です。そのような患者様の足と命を守るために循環器内科として何ができるでしょうか。
僕は2つの大きな役割があると思っています。1つは下肢の血流を改善することです。心臓カテーテルで培った技術を応用すれば、非侵襲的に下肢の血流を改善することが可能です。現在、カテーテルデバイスの発達もあり、多くの患者様でカテーテル治療によって下肢を救うことが可能になってきていると思います。もう一つの役割は患者様の全身状態を把握し適切な治療を同時に行っていくことです。下肢壊疽の患者様はすでに多くの合併症を持っている場合があります。特に脳血管疾患と心疾患は致命的となり得るものです。足のカテーテルをするのと同時に全身をチェックし治療を行います。皮膚科や形成外科の先生方が安心して治療を行えるようにサポートしていく必要があると思います。カテーテルをしただけでは足の傷は治りません。創傷を治療してくださる先生方との連携が必要になりますので、チームの一員としてお役にたてればと思っています。
また、病気の予防、早期発見、適切な医療機関に受診してもらえるようにするためには情報発信がとても重要です。今回、このような活動にかかわれることを誇りに思います。患者様の足が救われることを願い、微力ながら協力させていただきたいと思っています。

下北沢病院 足病総合センター長 糖尿病内科 富田 益臣

糖尿病と足の関係

糖尿病患者さんが増加し、当院にもたくさんの方が通院されています。
糖尿病の合併症には足の潰瘍や壊疽があり、これらを進行させないためには足の異常を早期に発見して治療や予防を行う必要があります。しかし糖尿病の神経障害がある方では自覚症状が乏しく、靴の中の足は診察機会も少なく発見が遅れがちです。これまで診療の中で、たくさんの潰瘍や壊疽の患者さんと出会いました。そのなかにはもっと早くお会いしていればとくやしい思いをしたことが何度もあります。
糖尿病と足の関係は残念ながら患者さんだけではなく医療従事者にもあまり知られておりません。糖尿病の患者さんが正しい足の知識を知っていただくことは、いつまでも自分の足で歩くことにつながります。これらを伝えるため、一人でも多くの糖尿病患者さんの足を守るため、当院では糖尿病外来での足の診察や教育入院で“糖尿病と足の関係”についての講義、そして毎週金曜日にはフットケア外来を行っています。しかしこれらの活動だけではたくさんの糖尿病患者さんの足を守るにはまだまだ不十分です。
今回このサイトや活動を通して、一人でも多くの糖尿病患者さんや医療従事者が足について関心を持ち、足を守る事ができるようにサポートすることが糖尿病の診療に携わっている自分の役割であると考えております。たくさんの情報を伝えていきたいと思います。どうぞ宜しくお願いいたします。

TOWN訪問診療所理事長 医院長 木下 幹雄

当院での診療では、糖尿病や透析を患った患者様が足に深いキズを作り、歩行困難となって来院されることが多くおられます。
私どもは、できる限り自分の足で歩けることを目標に、血流を改善する治療や創傷治癒を促すさまざまな先進的な治療を組み合わせて、日々全力で診療にあたっております。しかし、合併症(血流障害、神経障害など)を持っている患者さんにひとたびキズが発生すると、治癒するまでに大きな苦痛を伴い、治療が長期化することが少なくなく、治療が遅れた場合には、下肢切断が免れないこともあります。このような現状を目の当たりにし、糖尿病や透析患者さんに対して適切な情報を日常的に提供し、キズができる前に未然に予防することこそ、われわれの責務であると感じております。
昨年4月よりスタートさせたベテル南新宿診療所の足病外来は、近隣の透析や糖尿病クリニックと連携し、足病変患者の早期発見・早期介入により、連携施設の下肢切断・ゼロを目標にして活動しております。外来開設以来、定期的に教育講演会を開催したり、インターネット・雑誌などのメディアを通じてフットケアの重要性を訴えかけてきて感じた事は、足を守るには情報の発信が重要だという事です。情報の発信は、個々の力だけでは限界がありますので、今回のAAAプロジェクトには期待しておりますし、成果も必ず出てくると確信しております。
これからも、一人でも多くの患者さんが、自分の足で歩く喜びを失うことのないよう、努力邁進してゆく所存です。ぜひとも、皆様のご協力をよろしくお願い致します。

下落合クリニック医院長 菊地 勘

透析施設でのフットマネジメントの重要性

ひと昔前の透析医療は、いかに透析の技術を向上させ、患者の生命予後を延長するかが重要な課題であった。先人達の努力により、現在では透析技術は向上し、透析導入後の生命予後もだいぶ延長され、週3回の治療を受ける必要があること以外、健腎者と大きく変わらない生活ができるようになった。但し、仕事や趣味を継続し家族や友人との生活を楽しみながら長生きしてくためには、透析合併症の一つである末梢動脈疾患の管理が重要である。現在の透析患者の多くは糖尿病患者であり、さらに長期透析患者や高齢透析患者が増加している。乗じて下肢切断を受ける患者も増えており、いかに切断を防ぐかが喫緊の課題だ。
透析患者は週3回の治療を否応なく受ける必要があるのはデメリットであるが、週3回もの医療者の管理が受けられるメリットもある。透析従事者は日々の透析業務に追われるだけでなく、患者の下肢切断の原因となる下肢潰瘍の早期発見、下肢潰瘍の原因となる胼胝などのケア、下肢潰瘍の原因となる下肢の血流低下や末梢神経障害のスクリーニングなど、行うべきフットマネジメントは多くある。当院では、週3回の通院というメリットを生かし、定期的な足の観察や下肢血流の評価、フットケアの実践で、下肢切断は無く、下肢潰瘍の新規発症も年々減少しゼロに近づいている。また、潰瘍が発症し創傷治療を行う場合に、透析施設のほとんどはクリニックであるため、単一施設での治療は困難な場合が多い。形成外科、皮膚科、血管外科、整形外科などとの連携体制、地域的な集学的治療連携体制を利用するためのフットマネジメントを、透析医が行う必要がある。
以上の観点から今回のAAAの取り組みは重要であり、透析医の立場からフットケアやフットウェアの必要性や重要性の啓発に努めていきたいと考えている。

国立国際医療研究センター病院皮膚科 四津 里英

当院は糖尿病の基幹病院という特質もあり、皮膚科には日々多数の糖尿病患者様が受診されます。その中で、重症な足潰瘍になって始めて受診される方が少なくありません。そのようなときには、「ああ、何でもっと早くに受診してくれなかったのだろう」という思いでいっぱいになります。早い段階で受診をしてくれたならば、救えたかもしれない足、そのような方にこれまでにたくさん出会ってきました。
足潰瘍は、早期発見が足切断回避の要です。足に見た目で何かしらの変化が生じた場合には病院、特に皮膚科を受診していただくこと。複数の専門科が集まって取り組まなければならないこの「救肢」という試みの中で、皮膚科医としての役割は、
1.如何に未然にそのような状況を予防できるか、
2.適切な局所処置、そして、
3.保存的治療では治らない潰瘍を早期に見極め、他の専門科と連携し集学的治療へもっていくか
の3点と考えています。足潰瘍に進展しうる足・爪白癬、胼胝・鶏眼形成、皮膚乾燥などの治療、さほど痛くも痒くもないので見過ごされがちな症状ですが、きちんと治療することで、足潰瘍は予防できます。
今回、当活動を通して、糖尿病足病変を未然に防ぐという意識を、皆様にもっていただけるようなメッセージを発信できればと思っております。

東京医科大学病院 皮膚科主任教授 原田 和俊

情報発信サイト「Act Against Amputation」への期待

糖尿病や末梢動脈疾患の罹患患者の増加に伴い、血行障害によって発症した皮膚潰瘍を日常の皮膚科外来で診察する機会が増えてきております。これらの疾患は皮膚科医が得意とする軟膏療法などで治癒する症例もある一方、通常の皮膚科的な治療で改善しない症例も多く、そのような場合には、内科、形成外科、整形外科などとの協力体制の確立が不可欠です。
本サイトのような「足病変」による下肢切断を予防する主旨の下で、多くの診療科、様々な医療職が情報や知識の交換を行い、患者さんへわかりやすく発信するという活動に対して、皮膚科医も大きな期待を寄せております。
正しい治療の選択には正しい診断が必須です。血管炎や静脈うっ滞、深在性真菌感染症など、下肢に潰瘍を来す皮膚疾患は多く存在します。皮膚科医として、皮膚のトラブルが血行障害による足病変なのか、それ以外の原因で傷ができているのか、正しい診断を行うための情報提供で本活動をサポートしていきたいと考えております。

春日部中央総合病院 下肢救済センター 副センター長 寺部 雄太

全ての足患者さんへ 早期の治療や予防の医療を進めましょう

Act Against Amputation -なくそう、下肢切断-というAAAは、今の日本において重要な意味をもつプロジェクトです。
いままでの治療では救えなかった足、間に合わなかった足が多数存在し、患者さんには大きな苦痛と落胆を感じさせることも多かったことも事実です。近年は、足を救うのみならず歩行維持(Gait Salvage)など日常生活にも寄与する治療が進みつつあります。AAAでは、多くの医師や企業が参画しており、技術や知識が集約された連携をとることができ、今後の協力によりさらなる進歩を遂げるものと期待しております。
私の役割は、切断の危機が迫っている患者さんへの治療により切断を回避すること、そして今後、切断リスクのある方に足を診る外科医の立場として、リスクを減らしていく啓蒙をしていくことにあります。足を失いたいと感じている患者さんはいないと思います。日々の足のある生活をつつがなく過ごせるよう、地域の病院として多くの患者さんの足を守る診療をしっかり行い、活動をしていきます。
唯一の地面と接する器官が足であり、守れる足を増やし、下肢切断に至る患者さんを一人でも減らせるようにと願い、微力ながらお手伝いをさせていただきます。

日本フットケアサービス株式会社 大平 吉夫

私は、多くのフットケア外来や足専門クリニックの義肢装具士として、足にお悩みのあるたくさんの患者さんと日々接しております。そこでいつも痛感することは、「もっと早く病院にきていただけていれば」、「もっと足のことを患者さんが知っていれば」ということです。また、通院しているのに、「足のリスクについて詳しく教えてもらったことがない」といった声もよく耳にします。
多くの患者さんの傷の発症は、病態や症状に合わない靴を履いたことでの靴擦れが原因です。そして、この合わない原因を作っている病態の1つが足部・足趾の変形です。この変形は二種類に分けられ、糖尿病神経障害が原因のものと、足のアライメント(骨配列の不良)や怪我などによる後天性によるものがあります。前者は、足の感覚が鈍くなっているにも関わらず、足のリスクを知らずに適当な靴を選び、靴擦れや過度の圧迫を生じて傷になっているケース。後者は、足に合う靴を探そうと試みても選択肢がなく、創傷に至ってしまうケース。
変形がある足はもともと靴擦れや過度の圧迫を起こしやすいため、慎重に靴の選択を行わなければなりませんが、足部・足趾の変形=適切な靴、装具の選択=予防という周知がまだまだ広がっておりません。変形に対する靴、足底装具の重要性を医療者側も、患者さんも早期に理解していただくと共に、神経障害の有無に限らず足部、足趾変形のスクリーニングと定期検診を行うことが大変重要です。早期発見、早期治療(手術も含む)が進むことで、切断を少しでも減らすことができればと願っております。
今回、この「Act Against Amputation」チームの一員として、少しでも医療に用いるフットウェア(治療靴と装具)の理解が進むよう、また少しでも患者さんが長く歩き続けていただけるよう、情報発信をさせていただきたいと思います。
皆様のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

杏林大学医学部付属病院皮膚・排泄ケア認定看護師 丹波 光子

糖尿病患者さんの足病変は、末梢神経障害による知覚の低下や末梢血管障害による血流障害などの原因が重なり起こることが知られています。なかでも胼胝や靴擦れを起こし潰瘍に至るケースが多く、重症化し切断に至った患者さんは、QOLが低下し生命予後も不良です。潰瘍を発生させない予防的ケアと潰瘍が発生した場合には、進行を予防し早期の段階で治療を行うことが必要であり、そのためには患者さんへの教育がとても重要です。また、最初に患者さんから相談を受けるのも看護師です。私たち看護師が知識をもち患者さんと一緒に考え、意思決定できるよう支えていくことが必要と考えます。
今回、足病変の情報サイトが設置されることにより、看護師による病態への理解が深まり、自信をもって患者さんにケアできるようになっていただけるようになるのではと期待しています。糖尿病患者さんが自分の足を理解しセルフケアを行い、最後まで自分の足で歩行できるように、微力ではありますが協力させていただきたいと思います。

東都大学 幕張ヒューマンケア学部教授 河辺 信秀

下肢救済におけるリハビリテーションの深化を目指して

私は、理学療法士として下肢救済領域においてリハビリテーションが重要な役割を果たせると考えています。創傷治療では免荷や安静が必要となるため、どうしても身体機能が低下します。創傷治癒を妨げないように運動を行い、歩行を維持・改善することが理学療法士の大きな役割であると考えております。また、創傷の発生には高足底圧が深く関与していますが、関節可動域制限、足部変形、歩行様式などが影響します。理学療法士はこれらの運動機能障害への介入を得意としています。さらに下肢慢性創傷患者様は治療が長期に渡るため、日常生活活動や精神・心理機能も障害されます。生活機能への介入や心理的なサポートでは作業療法士が力を発揮します。このように下肢救済において具体的な役割があるにもかかわらず、リハビリテーション職種の下肢救済領域への関わりは未だに不十分な状況にあります。
AAAの活動は、医療現場における足病治療の啓発活動を通じた医療職の意識改革にあると感じております。私はAAAの活動を通じて、下肢救済における「歩行機能・生活機能・精神心理機能の出来得る限りの維持・改善」に貢献できる状況を作りたいと考えております。何卒よろしくお願いいたします。

北海道大学名誉教授 前日本下肢救済・足病学会理事長 大浦 武彦

諸手を上げて賛同します

当学会としては患者さんに医療の情報を伝える「Act Against Amputation」は大歓迎です。 下肢は第二の心臓と言われ、血流循環の重要な部位であり、この下肢を温存し、立つ、歩く機能を保持することは人間の尊厳を維持するための基本であります。
日本においては足病医という資格がないため、足病医がおらず、下肢に関する治療の普及は欧米と比べて100年の遅れをとっています。しかし、2009年日本下肢救済・足病学会が創立され、急速に下肢の大切さが一般にも認識されるようになってきていますが、まだまだ認識されていないと言ってよいでしょう。
この足病医とは別に日本の下肢救済の現状は下肢を治療する血管外科医が少なかったこともあり、欧米とはやや異なった形で発展してきています。すなわち、日本においては循環器内科と形成外科の連携に加えて血管外科医が集まって日本下肢救済・足病学会が設立されました。その目的の一つはEVTを行う循環器内科、バイパスを行う血管外科、潰瘍と血管再建も行う形成外科の連携を促進させ、集学的治療を行うために足病患者をなるべく早くこれらの専門科グループに接触させ、できるだけ早く確定診断し、本格的な血流改善と潰瘍の治療を開始することでありました。当学会の登録された連携グループは50数ヶ所に及び、現在活躍中ですが、まだまだ数が不足しています。このようなことで「Act Against Amputation」はまさにわれわれの目的としていたことでもあり、願っていたところであります。
これらの動きが必ずや足病をもつ患者にとって福音となることを信じています。

株式会社カネカメディックス 代表取締役社長 井口 明彦

このたび、Act Against Amputation活動の趣旨に賛同し、サポーターとして関わらせていただくことになりました。
弊社は約20年にわたり、下肢虚血の治療や検査に用いられる医療機器をお届けして参りました。患者様の笑顔のために、本活動に貢献できますよう、尽力して参ります。